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オススメ漫画(2011年9月)  

特にオススメ
けずり武士(1) (アクションコミックス)けずり武士(1) (アクションコミックス)
湯浅 ヒトシ

双葉社

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『食の史実』とでも言いましょうか、江戸時代の食文化の事実を描いた時代モノ。食文化と言っても、米や卵など今では超がつくくらい一般的な日本食ばかりを扱っていて、それらが当時ではどのくらい貴重だったのか、どういった食べ方をしていたのかが描かれる。

主人公は武士で、報酬で悪党を斬る人斬り。食べるのが大好きで、腹が減っては戦争は出来ぬと言わんばかりに事前に必ず飯を食べるし、体力的にピンチなときにももちろん食べる。主人公が食べる様子は本当に美味そうだし、如何にも『食』に生かされているって感じで実に気持ちがいい。ストーリー的にも人々を苦しめる悪党、それに恨みを持つ武士、天誅を下した武士の代償と結末…などなど主人公の『食』をど真ん中に据えながらも、お話自体も読み応え充分。特に終盤の一膳脱藩編は是非読んでみて欲しい。

湯浅ヒトシの素朴で温かく割と可愛らしい絵柄ではあるのだが、でもここぞという時にはシリアスに描かれる作画もメリハリがあっていい。


I.C.U. 1巻 (ビームコミックス)I.C.U. 1巻 (ビームコミックス)
タイム涼介

エンターブレイン

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「あしたの弱音」や「アベックパンチ」のタイム涼介の新作。テレビでインチキ霊媒師としてレッテルを貼られてしまった霊媒師と、元宇宙物理学者の主人公、そして霊媒体質の女性の3人が組んで除霊していく・・・という内容。

タイム涼介の新作はなんとホラー。と言っても除霊がメインなので読者を恐怖させることが目的ではないです……が、怖くないと言ったら嘘になる。何だかんだ言って幽霊とそれに取り憑かれた人間の描写は怖い。

まず、キャラの組み合わせが面白い。霊が見えないけど除霊能力抜群の霊媒師、霊は視えるけけど除霊が出来ない上に直ぐに取り憑かれる女性、物理の世界に生きてきて幽霊なんて非科学的な存在とは無縁だった主人公。それぞれ幽霊と対峙するには大きな問題を抱えている者たちが霊に立ち向かうわけですが、3人が揃うと何だかんだでそれぞれの弱点を補いつつ長所を生かしていて、メチャクチャ苦戦しているが何気にいいコンビネーションを魅せる。

ホラーと言うにはちと違和感があるかもしれないけど、単純に読んでみた印象として『恐怖』は確かにはある。幽霊の描写一つとっても、突然描かれる演出的な要素もあるけどビジュアルに驚かされる。人型であるはずなのに顔や体のどこかがヒトと違ってたり、特に取り憑かれる描写なんかは得体のしれない何かが口から侵入してきたりして結構エグイ。取り憑かれた後の人間については、完全に目がイッてしまっている上に包丁で襲ってきたりして、なんかもう色々やばさ満点に描かれる。

主人公の立ち位置も気になるところ。物理と幽霊なんて無縁もいいところだけど、幽霊の存在を認めざるを得なくなってしまった主人公。得体のしれないモノに触れることで真相を掴みつつある描写もあったり、最終的にどういう決着を見せるのか気になる所ではある。

とまあ、タイム涼介がホラーに挑むのは意外だったけど、意外なほどハマってるこの作品。タイム涼介の新境地と言えるかも。


まんゆうき~ばばあとあわれなげぼくたち~新装版 (上) (まんゆうき~ばばあとあわれなげぼくたち~新装版) (ヤングジャンプコミックス)まんゆうき~ばばあとあわれなげぼくたち~新装版 (上) (まんゆうき~ばばあとあわれなげぼくたち~新装版) (ヤングジャンプコミックス)
漫☆画太郎

集英社

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漫☆画太郎ってスゲー…。久しぶりに読んだけどつくづく圧倒された。正確なデッサンを極限まで荒々しく描いたキャラ、ジーサンバーさんの表情なんか最高で文句のつけようもない。でも女の子は最高に可愛かったりしてて、でもギャグ自体は最高に下品で汚くてテンションも抜群。こんな少年漫画が売れないわけがない。改めて凄いと思った。


銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス)
荒川 弘

小学館

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面白いです。言わずと知れた「鋼の錬金術師」の作者、荒川弘の新作。ハガレン以前からサンデー志望だったこともあり、作者のモチベーションは高そうな印象。

内容的には東京から北海道の農業高へ入学した主人公が、ただひたすらに畜産の過酷さに翻弄されるというモノ。畜産とか農業って大変だよなぁ、なんてイメージがあると思うけど、そのイメージ通り本当にいかに大変なのかがギャグテイストに描かれる。

でもそれは表向きの話。ギャグテイストに描かれる過酷な畜産労働の傍には常に『命』が描かれている。毎朝4時に起きて様々な畜産を体験する主人公だけど、大変な思いをして世話をした家畜たちはいつかは殺され食卓に並ぶ。家畜が描かれた際には必ずと言っていいほど、その家畜を死を示唆する描写がある。また、食事するシーンも結構頻繁に描かれる。今のところあまり深刻に描かれることはないけど、この作品のテーマは『命』なんじゃないかと思うくらい、実はそこらかしこに重要なテーマが散りばめられている。キャラも粒揃いで手堅い仕上がり。期待してよさそうです。



オススメ
原作さん (アクションコミックス(コミックハイ!))原作さん (アクションコミックス(コミックハイ!))
一條 マサヒデ:藤本 たみこ

双葉社

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「B.B.JOKER」や「殺し屋さん」の原作者(名義はそれぞれ違うけど)でお馴染みの一條マサヒデの新作で、「B.B.JOKER」でデビューしてからずっと原作者だった一條マサヒデが珍しく作画も担当。最初のほうはちゃんと絵を描いていてたけど、三分の一くらいから絵は完全に奥さんに任せてしまう始末で、本当に描くのが嫌いなんだなぁと、それだけでなんだか笑ってしまった。とは言え、「B.B.JOKER」で掲載された読切と比べると大分絵柄が変わっているので、何だかんだで絵を描く練習はしていたっぽい。

内容的には原作者である一條マサヒデの漫画家生活をギャグ形式で描くといったモノ。一條マサヒデの鋭いネタの選択と突っ込みは相変わらずで、ネタの一つ一つが妙なインパクトがあって印象に残りやすい。

あと、いつの間にか結婚して子どもも3人も居て、マイホームも持っていたりなんかして結構幸せそうに暮らしている模様。内容的にも家族を中心にネタが展開されるので家族モノとしても読める。

Sunny 第1集 (IKKI COMIX)Sunny 第1集 (IKKI COMIX)
松本 大洋

小学館

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松本大洋の新作。なんでもデビュー当時から温めていた作品なんだとか。お話的には「星の子学園」という孤児院に預けられた子供たちの青春が描かれる。

親に捨てられたという大きな傷。自分が死んでも親が居ない奴のことなんか誰も心配しないのではないか、たまに親に会っても離れることがあまりにも悲しすぎから会いたくないなど、子どもが抱えるにはあまりにも辛い青春。普段は楽しく過ごしているようでも、ふとした瞬間に暗く悲しい現実が描かれ、その落差がずしんと胸に響く。

「竹光侍」もいい作品だったけど、昔の松本大洋作品を懐かしむ人には待ってました!と言わせる作品じゃないかと思います。


恋に鳴る 1 (まんがタイムコミックス)恋に鳴る 1 (まんがタイムコミックス)
山名 沢湖

芳文社

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「つぶらら」以来、3年ぶりの山名沢湖の新作。個人的にはまさに待望でした。この人の作品は本当にふんわりと温かくてねぇ…。作風がキチッと固められているんで、どうしてもある程度読む人を選ぶけど、俺のツボにクリティカルな作家さんなのです。ちなみに3年も新作が出なかった理由は育休+産休。おめでたい。

内容的には『カサコソ』や『じーっ』や『コトコト』など身近にある擬音を元にした短編がつらつらと描かれるという一話完結モノ。擬音という着眼点もいいけど、音だけでなく恋も必ず絡ませていて、かわいい擬音とノスタルジックでふわふわした恋愛描写の絡みが優しく暖かい。ほっこりと心温まる一作。

[ 2011/10/17 00:00 ] オススメ漫画 | TB(0) | CM(0) このエントリーをはてなブックマークに追加
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この映画は絶対にオススメはしません。あくまで「紹介」に留めます。なぜならこの映画は意図的に観客に不安感や嫌悪感を抱かせるように作られており、観たことを後悔する人がかなり多いと思うので。観ると確実に不快な気分にさせられます。私も劇場で観た時はもの凄く落ち込みましたし、すごく不安な気分にさせられました。でも同時に「これは大傑作だ!」という確信もありました。エンタテインメントに於ける『暴力』表現の本質とは何なのか。この映画を観ると『暴力』の表現に対する価値観が変わります。それだけこの映画の内容自体は震え上がるほど怖く、心底胸糞が悪くなるストーリーなので二度と観たくないと本気で思うかもしれません。しかし、紛れも無い大傑作だと私は思います。

鑑賞した当時、この映画の記事を作っているのでそれも併せて紹介します。
映画「ファニーゲームU.S.A」


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「ファニーゲームU.S.A」のリメイク前の作品(「ファニーゲームU.S.A」はミヒャエル・ハケネ監督のセルフリメイク作品)。ずっと絶版されていてプレミアもかなり付いていたけど、「ファニーゲームU.S.A」のDVD発売を期に再販。「ファニーゲームU.S.A」との相違点は基本的にはキャスティングと舞台のみで、脚本もカメラワークもセリフも同じ。同じ内容のものをリメイクする必要あるのか?って思う人もいるでしょうが、その必要性も価値も理由もあります。こう言うと商売みたいですが、この機会を逃すといつ手に入るか分からないので後悔しないうちに買ったほうがよろしいかと。
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