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オススメ漫画(2011年8月) 

メチャクチャ久しぶりに「オススメ漫画」を更新。8月に読んだ漫画で比較的新しい作品でのオススメをご紹介。
特にオススメ
ディザインド(1) (シリウスコミックス)ディザインド(1) (シリウスコミックス)
木葉 功一

講談社

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木葉功一の新作。最近、木葉功一が活躍していてちょっと嬉しい今日この頃。高額な報酬と引き替えにどんなにヤバい状況であっても『真実』をカメラに収めるフリーのカメラマンの物語。

主人公の行動が実にシンプルにぶっ飛んでて最高。どんなにヤバい状況であってもそれをありのままにカメラに収め放送する主人公。例えば、銃を持って病院に立て篭もったという事件が発生すれば警察よりも前線まで行って犯人が銃撃する瞬間を撮り、犯人が立てこもっている病院へ警察よりも早く侵入し、殺された人々や病院内で行われている一部始終を生中継する…などなど、通常ではありえないくらいぶっ飛んだ映像を収める主人公。常軌を逸しっているとは正にこのこと。

実際問題、こんな映像を流したら色々問題ありまくりだけど、そんなの1ミリも関係なし。倫理も道徳も常識も関係なく、どんなに凄惨な『真実』であってもそれをとにかくカメラに収め放送という、その信念に揺らぎがないし、あらゆる問題をシカトして信念を貫くその姿が物語に勢いを生む。

「どうせやるならここまでやってくれ」って言うレベルまで豪快に、でも真っ直ぐに突っ走っているこの作品。やるならトコトンどこまでも。ある意味、清々しさを感じるくらい豪快に強引で素晴らしい。


I【アイ】 第1集 (IKKI COMIX)I【アイ】 第1集 (IKKI COMIX)
いがらし みきお

小学館

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いがらしみきおの新作。ジャンルで言うとホラーになるのかな?主人公の雅彦の同級生にイサオという変わった少年がいた。最初は親が亡くなってしまい食べるものがなくて倒れていたイサオを家に数日泊めることになったというだけだったが、行動を共にしているうちにイサオの奇妙な言動と「能力」に心を奪われていく雅彦。ついにイサオと一緒に家出する雅彦だが…。

イサオの傍には常に『死』がある。ダンボールで出来た自宅の傍には動物の死体が沢山あったし、イサオが触れ心を通わせた内の何人かは奇妙な死を遂げていく。これらの死にはある共通点があり、そこがこの作品の一つのテーマになっている。『生』とは何か、『死』とは何か、『命』とは何か。それらに共通するモノは何か。生と死の倫理と哲学、宗教に触れる一作。
オススメ
黒髪のヘルガ (F×COMICS)黒髪のヘルガ (F×COMICS)
朔 ユキ蔵

太田出版

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愛と憎悪のラブロマンスって感じでしょうか。「時期はずれ」とは「少女」とは、なぜヘルガが忌み嫌われるのか。独自の世界観を構築している反面、それ故に謎が多いけど、ストーリーは筋の通った一本道。人の愛情を美しく、でもとことん醜く描く。多くの謎はそれを演出するための材料でしか無いと思います。徐々に謎が明かされていく展開も読み応えがあるし、嫉妬と憎悪に歪む少女の顔も迫力があって引きこまれます。


純情パイン<完全版> (シリウスコミックス)純情パイン<完全版> (シリウスコミックス)
尾玉 なみえ

講談社

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尾玉なみえの衝撃のデビュー作。ジャンプで速攻、打ち切りをくらったもののある読者層には衝撃を与えたギャグ漫画が完全版で復活。約10年前に発売した単行本では収録されなかった連載前の読切版や、ボツネーム4話分が収録され完全版に相応しい内容になっている。連載当時は中学生だったけど、ジャガーさんしか読んでいなかった母親が「ファンレター出そうかな」なんて言い出すくらい爆笑していたのを覚えています。

尾玉なみえの魅力はこの異常な世界観でしょうか。それともこの変なノリでしょうか。それともムッチリとした作画でしょうか。時々残酷で歪んだキャラでしょうか。それともそれとも・・・。色々と魅力はあると思うけど、共通しているのは完全にオリジナルのモノを持っているということ。尾玉なみえがデビューして10年以上経過しているけど、今だにこの人と同じ系統の才能を見たことがないってどういうことだ。まあそれだけ人を選ぶし、ましてや超大手のジャンプでは打ち切りをくらうのも当然か…。でも今思うとこれを連載させたジャンプ編集部は偉大だと思う。

まあ兎にも角にもヘンテコなキャラのオンパレードで、キャラだけじゃなくてセリフ回しとか展開も狂っているし、「円の動き」とかワケが分からんし本当に語ればキリが無いくらい、どこを切り取っても全部が全部『異常』。うん、それ以外言葉が見つからない。本当に稀有な才能だと思います。


ミュジコフィリア(1) (アクションコミックス)ミュジコフィリア(1) (アクションコミックス)
さそう あきら

双葉社

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音楽漫画に定評のあるさそうあきらの新作。今回の作品は主人公の朔が大学入学し、あれよあれよという間に音楽サークルに入れられてしまうところから物語は始まる。朔は父の教えで兄と一緒にピアノを習わされていたが、朔だけ「お前にピアノの才能は無い」と見限られてしまう。しかし、朔には子供の頃から「モノの形や色を音として感じ取ることが出来る」という誰も知らない才能があった。今まで認められてこなかった朔がサークルでこの才能を徐々に発揮していくが…という出だし。

「マエストロ」、「神童」で音楽漫画でお馴染みのさそうあきら。今作も音楽に対する熱意をそこらかしこからビンビンに感じられる作品になっている。朔は生活に溢れるあらゆるモノを音として感じることが出来る。素晴らしい才能のように思えるが、朔がピアノを弾くとメチャクチャな音楽になってしまいその才能を潰されていきた。しかし、サークルでは普通に音楽することもあれば、時にはノコギリで音楽を奏で、川で音楽を奏でることもある。朔はその『音』を感じ取ることができ、そして読者は朔を通じて朔の世界を疑似体験する。

音楽の持つ魅力と力。世に溢れる音楽は確かに素晴らしい。しかし、音楽とは、音とは本当はもっともっと身近にあるのではないか。そもそも『音楽』とは『音』とは何なのか。その本質は何か。音楽の原点に迫る傑作…になる可能性をひしひしと感じる作品。


スイートプールサイド (少年マガジンコミックス)スイートプールサイド (少年マガジンコミックス)
押見 修造

講談社

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押見修造の単行本未収録作品がようやく単行本化。密かに想いを寄せている女子の「毛深い」という悩みを解消すべく、ひょんな事から彼女の腕毛やスネ毛を処理することになった主人公のお話。

押見修造のルーツとも言うべき作品かな?押見修造と言えば最近は思春期特有のモヤモヤとした言葉に出来ない『何か』を描いている作家さん。この作品では「毛」なんていうフェチ全開の題材を扱いながら、でも主人公はフェチなんて言葉すら知らないだろうに、彼女の「毛」が気になって気になって仕方がない主人公の悶々とした様子がなんかもう、如何にも中学生って感じでいい。

それと毛を剃っているシーンも何かエロい。丁寧に丁寧に彼女の肌を傷つけまいと毛を剃っている主人公だけど、パンチラすら無いような非エロ描写であるはずなのに、ドキドキしながら剃ってるその様子がなんか妙にエロい。

作者自身も言っているけどこの「何か」ってのを大事にしたいとこの作品で気付いたらしい。思えば最近の押見修造って、性を意識するかしないかっていう、何かが変化する瞬間を描いている事が多い気がする。そういった時期の悶々とした様子が詰まった作品だと思います。それにしても押見修造、絵上手くなったなぁ。


ゲニウス・ロキ (リュウコミックス)ゲニウス・ロキ (リュウコミックス)
田邊 剛

徳間書店

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コミックビームにて「累」でデビューした田邊剛の新作。黒を基調にしつつ写実的で細く描きこまれた描写。相変わらずすごく迫力があって見入る。「累」ではこの作画がホラーとの相性が最高にマッチしていて無茶苦茶怖く仕上がっていたのですが、この作品では妖怪の封印を生業にしていてホラーではなくバトルに近いかな?まあとにかく読者を怖がらせるのが目的ではない。とはいえ、一話一話が無難に纏まっているし、やっぱり妖怪だの幽霊だのをこの絵で描かせられるとすごく迫力がある。
[ 2011/09/04 06:54 ] オススメ漫画 | TB(0) | CM(0) このエントリーをはてなブックマークに追加
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この映画は絶対にオススメはしません。あくまで「紹介」に留めます。なぜならこの映画は意図的に観客に不安感や嫌悪感を抱かせるように作られており、観たことを後悔する人がかなり多いと思うので。観ると確実に不快な気分にさせられます。私も劇場で観た時はもの凄く落ち込みましたし、すごく不安な気分にさせられました。でも同時に「これは大傑作だ!」という確信もありました。エンタテインメントに於ける『暴力』表現の本質とは何なのか。この映画を観ると『暴力』の表現に対する価値観が変わります。それだけこの映画の内容自体は震え上がるほど怖く、心底胸糞が悪くなるストーリーなので二度と観たくないと本気で思うかもしれません。しかし、紛れも無い大傑作だと私は思います。

鑑賞した当時、この映画の記事を作っているのでそれも併せて紹介します。
映画「ファニーゲームU.S.A」


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「ファニーゲームU.S.A」のリメイク前の作品(「ファニーゲームU.S.A」はミヒャエル・ハケネ監督のセルフリメイク作品)。ずっと絶版されていてプレミアもかなり付いていたけど、「ファニーゲームU.S.A」のDVD発売を期に再販。「ファニーゲームU.S.A」との相違点は基本的にはキャスティングと舞台のみで、脚本もカメラワークもセリフも同じ。同じ内容のものをリメイクする必要あるのか?って思う人もいるでしょうが、その必要性も価値も理由もあります。こう言うと商売みたいですが、この機会を逃すといつ手に入るか分からないので後悔しないうちに買ったほうがよろしいかと。
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