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2008年02月13日 (水) 00:00
カテゴリ : オススメ漫画
特にオススメ(3作品)

「この世界の片隅に」(上) こうの史代
これは非常に暖かいです。戦時中に嫁入りしたすずという女性の庶民的な日常を描いたもので、その様子は戦時中とは思えないほどほんわかと暖かい。特にすずの旦那である周作とのやりとりは幸せ満点。また、こうの史代の全てフリータッチで描かれた絵柄もその暖かさを演出するのに一役買っている。しかし舞台は完全に戦争を匂わせるもの。主人公のすずは全くそんなこと考えていないだろうが、この幸せはいつまでも続くのものではない(かもしれない)。だから「戦争」という最凶の不安の中で繰り広げられる幸せ模様はとてもかけがえの無いものに感じられ、まさに幸せをかみしめるような作品に仕上がっている。幸せの尊さを感じられる秀作だと思います。

「生活」(1) 福満しげゆき
福満しげゆき初の長編。そう聞いただけで心躍る人もいるんじゃないでしょうか。福満しげゆき独特の地味な作風はそのままに、バトルやアクション、緊迫感のあるシーンなどが描かれる。定年を迎えたおじさんがトンカチで戦ったり、ひ弱そうな青年がワイヤーで戦ったりとキャラクターもなかなか個性的。地味でネガティブな福満しげゆきの作風だが、「悪い者には天罰が下る」という密かなメッセージ性を感じなくも無い。なにかと個性的で独特の味わいのある人なので、「僕の小規模な失敗」や「僕の小規模な生活」が楽しめた人は一度読んで損は無いと思いますよ。

「聖☆おにいさん」(1) 中村光
キリストとブッダが東京の立川で非常に庶民的な生活をしている様子を描いたギャグ漫画。ありえないツーショット。そして神なのにありえないほど庶民的な二人。というわけで神の尊厳なんてこれっぽちも感じられないという、正に神をも恐れぬギャグ漫画です。誰もが少なからずイメージとして共有している神の威厳。それを逆手に取ったギャグは妙に気が抜けて馬鹿馬鹿しく楽しい。またキリスト教や仏教をネタにしてはいるが、海(プール)を割ったり後光が差したりと、どれも元ネタは常識の範囲内。宗教的な知識なんて全く必要ないので、基本的に誰でも気楽に読めるのもいい。
オススメ(5作品)

「探偵綺譚 石黒正数短編集」 石黒正数
石黒正数2冊目の短編集。相変わらず非常にテンポのいいギャグを描いてますねえ。1冊目の短編集「PRESENT FOR ME」みたいに「これは読んどけ」っていう作品は無いものの、どれも良作揃いで良い。「それでも町は廻っている」などが好きな人は是非。

「ささめきこと」(1) いけだたかし
百合ものです。百合だけど(だからこそ?)、とても白く清いラブストーリー。主人公は親友に思いを寄せていて、でもその親友は他に好きな女の子がいる。どちらも女の子を好きになっているのに自分の想いは親友には届くことが無いという、とても切ない想いを心の内に秘めている主人公。友情の壁を破ることが出来ない切なさに心打たれる。

「はるいちばん」 萩尾ノブト
「ユリア100式」などでお馴染みの萩尾ノブトのオリジナル作。オリジナルと言ってもノリは「ユリア100式」とそっくりなエロコメ。主人公の下宿先の女性達がなぜか主人公に逆セクハラしまくってきて…というのが主な内容。「ユリア100式」が楽しめている人は読んで損は無いと思いますが、過激さで言えばこっちの方がより上かも。

「PEACE MAKER」(1) 皆川亮二
「スプリガン」や「ARMS」でお馴染みの皆川亮二の最新作。アクションシーンが馬鹿みたいに上手い皆川亮二が今作で挑んだのはガンアクション。正直なところ、このジャンルは皆川亮二に向いてないじゃないかと思ってたんですが、そんなのは杞憂だった。やはり皆川亮二の描くアクションシーンは躍動感と迫力があってとてもカッコイイ。

「犬のジュース屋さんZ」(1) おおひなたごう
野球場の左中間でジュース屋を営んでいる犬のギャグ漫画。ギャグの密度がもの凄く高い。それでいてその笑いを読者に強要させないのがおおひなたごうの魅力。めまぐるしいくらいに下らないギャグが展開されるが、それでも「笑いたいところで笑ってください」という器のでかさ。こういうギャグ作家はあまりみたことがない。
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